琉球新報 3月24日付け
論壇 清水 早子
宮古・石垣で自衛隊配備反対集会
オール沖縄で危機共有を

いま、奄美から宮古、石垣、与那国まで、琉球弧の島々が、自衛隊のミサイル新基地建設の計画のもとで、軍事要塞列島にされようとしています。
とりわけ、宮古島に地帯艦ミサイル・地対空ミサイルが配備されることで、沖縄島と宮古島の双方から、この間を通過する外国船籍に圧力をかけようとしています。
この宮古海峡の公海上を航行する船に対する大きな脅威となり、緊張が生まれます。
昨年の集団的自衛権の容認と安全保障法制の成立によって、自衛隊は米軍とともに、また米軍の肩代わりとして、海外でも戦争ができるようになりました。
日米の軍事戦略により、辺野古に強行されている米軍の新基地建設と、琉球弧の島々への自衛隊ミサイルの新基地建設は、実は車の両輪のように一対のものとして進行しています。
しかし、米軍基地に抗う運動に比べて、離島の自衛隊配備への闘いは、まだまだ認知されず、危機感も希薄です。
特に3.11以降、「災害救助隊」のうように錯覚された自衛隊への視線は、地域のイベントへの参加や自衛隊音楽隊の演奏会の開催、あるいは「雪を送る」という学校現場への行動など市民社会に入り込む「宣撫工作活動」=「広報活動」は助長され、「軍隊」=「敵兵を殺す」ことを本来業務として訓練する組織だとの本質的な捉え方がないまま広がっています。
陸海空自衛隊は、米軍とともに「離島奪還」訓練をし、その一体化は拡大し、基地の共同使用は自明のこととなっています。
宮古島には、自衛隊配備関連予算として、用地取得費なども含め108億円が計上されています。利権を得るのは一体誰なのでしょうか。
宮古島は飲料水・産業用水を地下水に頼る特殊な地形をしていますが、その地下水源流域にかかる場所の大半に自衛隊施設が建設予定です。
覆土式の弾薬庫、射撃訓練場、地下司令部などが含まれています。
宮古でも石垣でも配備候補地の自治会は反対や中止決議を上げています。しかし、防衛省も、市長も、いまだに基地建設の詳細さえ市民に明らかにしていません。
来る26日(土)、宮古・石垣同日開催で、私たちは「自衛隊配備反対」の市民集会を開きます。
その集会での決議を持って、私たちは東京・防衛省へ行きます。
沖縄選出の国会議員団とともに。
折しも29日は、安保法の施行日。国会前では、数万人規模の抗議の大集会が予定されています。
「安保法=戦争法の舞台は、まさに沖縄の離島の島々なのだ」「南の小さな島々が標的になることを止めたいのだ」と、強く訴えてきます。
オール沖縄の団結による闘いが、国境の離島の島々にまで行きわたることを願ってやみません。
(「止めよう!自衛隊配備」宮古・石垣合同東京行動実行委員会事務局、67歳)