昨日25日、宮古島市長による謁見行為が新聞各社で暴露された。
宮古島市長、下地敏彦といえば今までも台風時に宮古島市市役所市長室での酒盛り事件、不法投棄ゴミ残存問題や公文書偽造など山ほど問題を起こしてきた。
しかし、今回の件は単に個人の利権に絡むだけでなく宮古島市民の生命を危険にさらす可能性さえある、異常事態といえる。
そもそも、陸上自衛隊配備をしたくてしょうがない市長は、最初から「水道水源保全地域」などどうでも良いことで、学術部会の正しい報告書は「自衛隊バブル」に水を差す都合の悪い内容だったのだ。
宮古島市民は、目の前で自分たちの生命さえ危険にさらそうとした地元市長の行為を放っておくわけがない。
島の首長が島民を捨てようとしたのだから。

宮古毎日新聞 2016年(平成28年) 5月25日 水曜日
学術部会報告書修正問題
市長「申し訳ない」
「内容は権限越えている」
宮古島への陸自駐屯地建設事業計画について、市地下水審議会の学術部会が「施設建設は認められない」とする結論の報告書を市が同部会の部会長に内容の修正を求めていたことについて、上下水道部そのものが事実を認めたほか、下地敏彦市長は「今回の手法が学術部会をないがしろににしたと捉えていらっしゃるのであれば、そういう意図でやったわけではないので申し訳なかった」と謝罪した。一方で、同部会の判断については「権限を越えている」との主張を展開した。

修正した報告書案をメールで送信した事実について、上下水道部の職員と当時の担当職員は、3月4日当時、部会長と一緒にまとめた報告書案について午前中に市長と副市長に報告した。
その後、平良庁舎に担当職員が呼ばれて、市長が副市長から今回の修正案を受け取り、修正した報告書を部会長宛にメールで送信していたことを認めている。
「修正版をメールするよう担当課に指示したのか」の質問に、下地市長は「私はやっていない。報告書の内容が部会を権限を越えているので権限内の報告書になるよう話し合ってみたらどうかと副市長に言った。僕は包括的に権限の範囲内にするよう指示しただけ」と説明した。
これに対して長濱政治副市長は「確かに、その指示を受けて私が報告書案について修正追加の作業を行った」と認めた。
また、このような行為が学術部会の自立性、独立性を失わせることにならないかの指摘には「ならないと思う」と否定した。
下地市長は修正依頼のあり方について謝罪する一方で、報告書の内容については「部会としての権限を越えている。与えられた権限の範囲内で考え方を示してほしかった。部会にはそれを言いたかっただけ」と釈明した。
下地市長、長濱政治副市長とも学術部会は「権限を越えている」と主張しているが、実際に部会長に送られたメールには「部会権限を越えている」などの指摘は一切無い。
この学術部会の結論や議事録については、多くの市民団体や市議会からも開示を求める声がある中で、下地市長は開示を拒否している。
宮古への地下水保全のために、最も有益な人材であると市が認めた学識経験者の「命の水を守る」ための議論と、導き出された結論の公開はまだ宙に浮いたままとなっている。

(写真)報告書に対する修正依頼について弁明する下地市長=24日、市役所平良庁舎

宮古毎日新聞 2016年(平成28年) 5月25日 水曜日 一面
市、学術部会判断に修正要求
陸自駐屯計画 報告当日、事務方に指示
これまで市民に虚偽説明
宮古島への陸上自衛隊駐屯地建設事業計画について、審議した市地下水審議会学術部会の報告書案に対して下地敏彦市長と長濱政治副市長の連名で同部会の中西康博部会長に修正依頼していたことが24日までに分かった。
これまで、この報告書案が存在しないと明言していた市長、副市長だが実際には存在し、さらにそれに修正を加えようとしていた。修正依頼について市長、副市長とも認めている。
同部会は3月3日に2回目の会合を開き、結論に至った。その報告案を中西部会長が同日中に市上下水道部と調整した上で完成させた。
この報告書案は翌4日早朝に同課の職員が市長と副市長に報告。
その日の午後4時には報告書案の修正を求める内容のメールが中西部会長に送信された。
その内容を受けて、中西部会長はすぐに電話で「応じられない」と修正依頼を拒否している。
今回の修正依頼について中西部会長は「地下水を守るために努力している学術部会をないがにしろにしてる」と怒りをあらわにした。
同部会の報告では、平良西原の旧大福牧場周辺に陸上自衛隊の駐屯地を建設する事業計画について明確に「認められない」と結論づけられているが、当局側んお修正案は文言を削除したりしながら断定表現を曖昧にしている。
修正されているのは、一つの項目全文削除一ヶ所と、一部文言修正5カ所。さらに5カ所で文言を追加している。
審議結果の要約では、「認めることができない」と断定していることについて市案は「懸念がある」と曖昧な表現にしている。
さらに水道水源地下水の水質を「恒久的に汚染するおそれがある」を削除し「守るための方策を厳格に立てるべきである」と変更。
そのほかにも、施設の設置は「予防原則的に不適切である」との表現は「施設内の雨水および汚水を確実に隆起外に排出する等の措置が必要である」と修正した。
この学術部会の結論について、下地市長は23日のインタビューで「まだ報告書はできていない」「見ていない」とその存在を否定していた。
また、長濱政治副市長も今月16日の防衛局との会見の席で学術部会の結論については「知らない」と答弁し、23日の会見でも同様の見解を示している。
しかし、実際は島民の命の水を守るために下した同部会の報告を受けて、裏でその内容を修正しようとしていた。
市上下水道部が中西部会長に送ったメールには「市長と副市長に報告書を持参して報告した結果、修正することは可能でしょうかとの回答をいただきました。市長、副市長からの修正案を送信させていただきますので確認方よろしくお願いします」と記されている。

(当局側が表現をあいまいにするなど修正した報告書案)