陸自沿岸監視部隊あす発足
来月24日に開設記念行事
【与那国】隊員160人規模の陸上自衛隊沿岸監視隊は28日、南牧場内の駐屯地で発足する。陸自西部方面隊総監から部隊旗が手渡され、正式に監視隊が編成されるが、駐屯地はまだ完成しておらず、4月24日に開設記念行事が行われる。
与那国島への配備は、中国の海洋進出をにらんだ南西諸島防衛強化の一環。
防衛省は今後、宮古島に約800人、奄美大島に約550人、石垣島に500〜600人の警備・ミサイル部隊を配備する計画だ。
与那国島では賛否が割れ、住民を二分する問題に発展。

駐屯地建設着工後の2015年2月22日に住民投票が行われ、賛成票632票が有効投票数の57.76%、反対票445票が同40.67%を占め、賛成票が過半数を占めた経緯がある。
駐屯地のフェンスには与那国国防衛協会などが駐屯地の開設と監視部隊発足を祝う横断幕やのぼりを設置して歓迎ムードを演出する一方、集落内には反対派の横断幕やのぼりが今も残っている。


南西諸島広域で見た与那国島の位置関係と防衛省が進めようとしている配備図。


詳細、未確認ですが沿岸監視部隊とレーダーサイトの配備図。
ちなみに、自衛隊宿舎は島の北側で、レーダーサイトから離れた位置関係になります。


イソバの会・稲川さんのお話は、南西諸島に何が始まっていて、これから何が起ころうとしているのか、すべてを語っています。
宮古島・石垣島の自衛隊配備を止めよう! 3 30東京集会・与那国島/稲川宏二さん
3月30日、2016年
中央区、京橋プラザ区民館にて


これまでの報道を振り返りたいと思います。
崎元酒造所・工場長稲川宏二さん (2015年2月24日)

 

《与那国・住民投票 住民の意思決定の思い》
与那国町にある酒造所の工場長、稲川さんは、酒造りに携わって20年。八重山諸島の中­でも、わずかしか残っていない昔ながらの蒸留機を使い、従業員5人で、90年続く島の­味を守っています。
崎元酒造所・工場長稲川宏二さん「自分たちでつつましくでもしっかりやっていく。本当­の基本的な生活をする力を持っている島なので、そういうところはしっかり残して子ども­たちにも伝えていかないといけないんじゃないかなと思います」
6年半前、町議会は、島の発展の切り札として、自衛隊誘致を決議し、外間町長が政府に­配備を要請しました。住民は賛成、反対で二分。自衛隊誘致を争点とした前回の町長選で­外間町長は再選を果たしました。票差はわずか47票でした。
観光協会の会長も賛成の立場です。
賛成派の期待の声観光協会・新嵩会長「その人たち(自衛隊)が来ることによって嗜好品­が消費されるじゃないですか。たばことか。観光だけじゃなく、多岐にわたって経済効果­が起きてくるんじゃないですか?」
一方、政府にとって与那国島への配備は、あくまで南西諸島の防衛強化が狙いです。
自衛隊のレーダーが配備される予定地の真下には、人口およそ460人が暮らす久部良地­区があります。
国は、近隣を航行する外国船の監視のための沿岸監視レーダーの設置を計画。先月、町と­防衛省がレーダーによる人体への影響についての住民説明会を開きました。会場からはレ­ーダーへの不安の声があがりました。

質問する住民「想定外のことが起きているんですよ。それが世界一安全と言われる原子力­発電所がいとも簡単に壊れているんです。それがものすごく私の頭をよぎっているんです­。」

回答する防衛省の職員「これまでもそういう事態は一件もありませんので、仮にあった場­合には、万全の体制をとる形で、みなさんとご相談させて頂きたい。」

与那国の経済は、島のものづくりの力で支えていけると考えている稲川さんは、島が国防­という大きな計画の中に組み込まれていくことに、疑問を抱いています。

崎元酒造所・工場長稲川宏二さん
「全く中国や北朝鮮や台湾などからの侵略の不安を感じたことがなく、平和に暮らしてい­るんですね。なぜか知らないうちにここが脅威のところだと」


イソバの会・崎元酒造所・工場長/稲川宏二さん (2016年3月28日)

自衛隊の配備をめぐっては、住民同士で賛成反対で揺れた歴史がありました。

稲川宏二さん「基地の問題でいがみあってすごく住みづらい町になってしまった
反対運動を続けてきた稲川宏二(いながわ・こうじ)さんです。

稲川宏二さん「安全保障法案が施行されますよね自衛隊の任務も大きく拡大されますので自衛隊が本当に戦場にいくことがないように、また先島が戦場にならないための運動をしていきたいと思ってるんです」

自衛隊が配備された今、稲川さんは、新たな懸念を抱いていました。
稲川宏二さん「南西諸島での防衛力強化画はこの島で完結する問題じゃなくて宮古・石垣と続きますのでこの南西諸島が基地の島にならないように運動していきたいと思うんです」

与那国島を足がかりに進む防衛強化の動きは、やがて沖縄全体を飲み込む自衛隊配備計画の始まりに過ぎないのかもしれません。


イソバの会
http://isobanokai.ti-da.net/

崎元酒造所オンラインショップ

http://www.sakimotoshuzo.com/shop/

IWJ Independent Web Journal
特別寄稿】与那国島で陸自「与那国沿岸監視隊」発足!〜政府は「分断統治」に成功した?「自立」と「支配」が混在する与那国島で島民が見た「対立の歴史」を紐解く

〜略〜
沿岸監視隊は南西諸島の防衛を強化する、いわゆる「南西シフト」の先駆けとして配備されたが、中谷大臣は視察中、「南西諸島ってどこまでかな?」などと発言。周囲に「(南西諸島は)奄美、鹿児島も入ります」と進言されると、中谷防衛相は「あっ、鹿児島…」とつぶやき、無知、無関心を露呈した。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293889